それから私は寮のベッドで倒れ込んだ。
一日の疲れが体に一斉に来たのだ。
私の両親とは疎遠で母方の祖母にお世話になっている。
なので私は高齢になる祖母に負担をかけたくないと学生寮に入った。
ここの学校の学生寮はひとり部屋であり、プライベートが充実している。
人と関わりたくない私にとっては絶好の寮だ。
それなのに、、、、、、
なんだ疲労感がひどい、、、、、
今日は人と関わるのが一段と多かったせいだ。
その原因になったのも、なんでも無い。あの男のせいだ。
佐藤 紫苑、、、、、、、、
『私のペースを乱すやつ、、、、』
なるべく関わらないようにしよう。
しかしあの男のことだ強引に関わってくるのが想像がついてしまう。
私があの男に何かしたのか?
初対面なのになぜあんなに私に関わろうとするんだ。
『理解できない、、、、佐藤 紫苑、、、、、、』
私は思考を巡り巡らせ考え疲れ、いつしか意識を失い眠りに落ちた。
深夜消灯がすぎた時間私は目が覚めた。
変な時間に寝てしまったせいか目が冴えてしまった。
私は水を飲もうと食堂へ行こうと思い廊下にでた。
誰もいない廊下。この時間は皆んな寝ているかと私は独り言を行った。
暗い廊下を歩いていく。
暗い廊下の先から何やら黒い小さな影が見える。
その影がだんだんと近いづいてくるにつれ輪郭がはっきりしてくる。
『なんだ猫か、、、』
小さな影の正体に私は安堵した。
しかしその猫だと思った影は私が知っているそれとは少し違っていた。
猫のような影は黒いモヤの塊に赤い色の目が二つ付いている。
尻尾のようなものは炎のようになびいており、目のようなものは赤く光を増している。
黒いモヤは私に近づいてくる。
『逃げなきゃ、、、』
とにかく近づいてはいけない気がした。逆方向へ足を動かす。
しかし黒いモヤは動きが素早く、すぐに追いつかれてしまった。
それは手足のような部分から鋭い爪をだし、私へ振りかざしてきた。
私の右腕に3本の赤い線の血が滴る。
しかし何者かわからないものへの恐怖が上回り痛みが感じられなかった。
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俺は今日転校してきた男の事が気になっていた。
佐藤 紫苑は神社の神主の息子である。
俺には家柄の事もあり、幼少の頃から周りには見えにものが見える体質であった。
学校の部室でよく悩み相談をしているのはそれ関係の案件が多く関わっている事が多いからだ。
今日相談をしてきた玉後 来実(タマゴ クルミ)の件もおそらく、、、、
しかしその件以上に彼の事が気になっている。
俺は今まで感じたことのない違和感を感じていた。
あの違和感はなんだ?
この世の魂とは違う何か、、、、、
しかし俺が普段見ているこの世のものではないものとは違う何かだ。
だから俺は正体を見極めるため彼に近づくことにした。
彼は嫌がっているようだったがこれも俺の仕事なんだ。
『許してくれ、、、、珠州、、、、』